オーダーシャツとオーダースーツは、サイズだけでなく「見え方」も大切です。今日は採寸時のあるある話と、スーツが"重く""野暮ったく"見えてしまう原因と対策を、専門店の視点からまとめます。
なぜオーダースーツが"重く見える"のか
スーツでご来店のお客様に上着をお預かりすると、ハンガーに掛けた瞬間に思うことがあります----「重い」。名刺入れ、財布、カードケース、小銭入れ、手帳、ペン......とにかく"別々で"多くを入れてしまうと、フロントや内ポケットが引っ張られ、シルエットが崩れます。スマホをシャツの胸ポケットに入れるのも避けたいところ。重量と偏りは、シワ・波打ち・前裾の開き・ボタンの留めづらさにつながります。
ポケット運用の基本
- フロントの腰ポケットには物を入れない。最優先事項です。
- 必要最小限のみ内ポケットへ。重い物(長財布・大型スマホ)はバッグへ退避。
- シャツの胸ポケットは装飾扱い。膨らませないのがオーダーシャツの美学。
ビフォー/アフター:同一人物でも印象はこう変わる
「酷すぎる!」と思われるかもしれませんが、意外とこんな方、見かけませんか? ポケットの荷物で生地が引っ張られ、ボタンが留めづらく、パンツにもシワが寄ります。
こちらは同一人物でもポケットが空の状態。ジャケットの前が自然に閉じ、ウエストのくびれとラペルのロールが際立ちます。オーダーシャツの襟元もきれいに収まり、清潔感が一段とアップ。
ネクタイと襟型の小話(好みでOK)
ネクタイを結ぶ前提なら、私はボタンダウン以外の襟型をおすすめすることが多いです(あくまで好みでOK)。タイドアップ時はレギュラー、セミワイド、ワイド系だとVゾーンがすっきり見え、オーダーシャツらしい襟の表情が出ます。
今日からできる「軽やかシルエット」3か条
- 持ち物はバッグへ。ジャケットのフロントポケットは空に。
- 内ポケットは片側に寄せない。重量はできる限り分散。
- 採寸は自然体で。正確な数値=快適なオーダーシャツ&美しいオーダースーツ。
結論:スーツはカバンではありません。入れる物は最低限に。これだけで、オーダーシャツの襟元も、オーダースーツのシルエットも見違えます。型崩れを防ぎ、第一印象を最大化しましょう。