コラム:オーダーシャツとフルオーダーシャツの違いとは?専門店が語る本当のこだわり

オーダーシャツとフルオーダーシャツの違いとは?

オーダーシャツ専門店・金港堂の宮谷です。

当店のホームページでは「フルオーダーシャツ」という表記をしていますが、そもそも「オーダーシャツ」と「フルオーダーシャツ」の違いをご存知でしょうか?

このコラムでは、その違いを具体例を交えながら、わかりやすくお伝えします。
シャツ選びのヒントにしていただければ幸いです。


1. 採寸する部位の違い

当店では、以下のように10ヶ所以上を丁寧に採寸して、お客様の体型に合った一着をお作りしています。

  • 首回り・肩巾・アームホール・裄丈
  • 上胴・中胴・下胴(胴回りの違い)
  • 着丈・背丈・肩下がり・カフスまわり
  • ゆとりの量(フィット感の調整)

ここまで細かく採寸するのがフルオーダーシャツ

通常の「オーダーシャツ」では、首回り・裄丈・胴回り程度の調整が主で、ここまでの細かな対応は行わないケースが多いのです。


2. 体型補正ができるかどうか

オーダーシャツとフルオーダーシャツの最大の違いは、体型のクセや左右差に対応できるかという点です。

  • 左肩だけ下がっている
  • 胸が張っている/背中が丸い
  • 左右の腕の太さが違う

これらのクセに合わせて型紙を補正しながら仕立てることができるのが、フルオーダーシャツの強みです。


3. 時計を付ける方の「カフス調整」も可能

実は見落とされがちですが、左手に時計をされる方のために、左カフスだけ大きく作ることもできます。

ロレックスなら+1cm程度、上品なドレスウォッチなら+0.5cmなど、時計の厚みに合わせて微調整が可能です。



中には「左袖だけ短くする」という対応をしているオーダー店もあるようですが、当店では見た目の美しさを損なわない方法を提案しています。


4. ストレートネックなど、現代的な体型にも対応

最近よく聞く「ストレートネック」や「猫背」など、首が前に出る姿勢にお悩みの方も多くいらっしゃいます。

そうした場合、襟の取り付け位置を前にずらし、襟ぐりの傾斜を調整することで、引っ張られる感覚を和らげることも可能です。

このような対応は、既製シャツや一般的なパターンオーダーでは難しく、フルオーダーだからこそできる技術といえます。


5. デザインも「その人仕様」に微調整

たとえば、同じ衿型でも、身長や首の長さによって似合うバランスは違ってきます。

当店では、衿羽根の長さを5mm単位で調整したり、後ろ衿台の高さを数ミリ単位で変更することもできます。



このように「見た目の印象」まで細かく調整できるのが、フルオーダーシャツの魅力です。


6. フルオーダーだからこそ、生地にもこだわりたい

せっかくここまでこだわって仕立てるなら、生地も良いものを選んでほしいというのが私の本音です。

例えば下記のような生地は、仕立て映えも着心地も抜群です。


イタリア生地の中でも最も人気の高い定番素材で、フルオーダーの良さを最大限に引き出してくれます。

まとめ:「体型に寄り添う仕立て」こそがフルオーダー

「オーダーシャツ」という言葉は広く使われていますが、本当の意味で自分に合った一着を仕立てたいなら、フルオーダーという選択肢をぜひ知っていただきたいのです。

サイズが合っているだけでなく、体型のクセや着用シーンまで考慮した仕立て。それこそが、金港堂のフルオーダーシャツです。