オーダーシャツに映える鳥足掛けのボタンの付け方|貝ボタンの魅力と手付け解説

鳥足掛けの完成イメージ

シャツのボタンを手で縫い付ける際、クロス掛けが一般的ですが、「鳥足掛け」という少し変わった止め方があります。これは雪の上に鳥が走って残した足跡のように、1点を中心に3方向に糸が広がるように見える止め方で、白蝶貝などの厚みのあるボタンをお洒落に、かつ止めやすくする方法です。

支点が中央からずれるので、ボタンの端が浮きやすくボタンがとめやすくなります。

3ミリ以上の厚いボタンの場合に特に有効です。

動画でもご覧いただけます:


鳥足掛けとは?クロス掛けとの違い

通常はボタンの穴をクロス状(×)に糸で通して縫い付けますが、鳥足掛けは3方向に放射状に糸が広がります。見た目が独特で、デザインのアクセントにもなります。

特に、厚みのある貝ボタンは中心が浮きやすく、クロス掛けよりも鳥足掛けの方が安定しやすいという利点もあります。


鳥足掛けの縫い方|写真で詳しく解説

針を通す1

まずはクロス掛けと同じように、対角線上の穴に針を通します。しっかりとボタンを固定するための最初の一手です。

布に針を通す

糸を裏に引いて、布とボタンを密着させる準備をします。この段階ではまだ通常のクロス掛けと同じ工程です。

反対の穴に通す

反対側の穴に糸を通します。2本目の線ができます。

拠点に戻す

糸を最初の穴(拠点)に戻します。ここを中心に三本目のラインを作る準備です。

3本目を通す

残る1つの穴に糸を通して、三方向目のラインを形成します。

3方向完成

拠点に戻すことで、放射状に3本のラインが交差します。鳥足のような形状が完成します。

針を持ち上げる

針を裏に通す前に、ボタンと布の間に持ってきて空間を作ります。

根巻き

ボタンと布の間に糸をぐるっと一回転させて「根巻き」を行います。これでボタンの安定感が増します。

糸を引いて完成

糸をしっかり引いて形を整えます。この時点で表面の工程は完了です。

玉止め

糸を裏に通して玉止めをし、しっかりと固定します。

完成

最後に糸を表に戻して切って完成です。立体感と遊び心を兼ね備えた、美しいボタンの仕上がりです。

最後に根巻きをして、裏で玉止めをすれば完成です。慣れればクロス掛けよりも簡単かもしれません。


鳥足掛けが活躍する場面とは?

例えば次のような場合に鳥足掛けが向いています:

  • 白蝶貝など厚みのある高級ボタンを使うとき
  • シャツにワンポイントのデザイン性を加えたいとき
  • 手縫いで丈夫に仕上げたいとき

特に色糸で鳥足掛けをすると、デザインのアクセントになり、ワンランク上のお洒落が楽しめます。


金港堂のオーダーシャツでも鳥足掛けをご指定いただけます

当店では、白蝶貝などのオプションボタンをご選択いただいた場合、ミシンでのボタン付けができないため、すべて職人による手付けになります。

その際、お客様に「クロス掛け」か「鳥足掛け」をご指定いただけます。WEBでのご注文も選択できますのでご利用下さい。

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