コラム:トーマスメイソンというオーダーシャツ生地とはこんな生地だ!
トーマスメイソン|最高級オーダーシャツ生地の魅力と選び方【金港堂】
当店では長年トーマス・メイソンという生地ブランドを扱ってきました。拠点がイギリスだった時代から、その後ALBINI社に買収され「Made in England」から「Made in Italy」になってしまいましたが、製造拠点が変わってもそのクオリティが落ちたとは感じません。
トーマスメイソン(Thomas Mason)は、オーダーシャツ生地の最高峰ブランドとして、ビジネスパーソンやファッション愛好家から絶大な支持を得ています。本記事では、トーマスメイソンの歴史や特徴、人気のシルバーライン・ゴールドライン・ジャーニーラインの違いと選び方について解説します。
トーマスメイソンのオーダーシャツ生地のラインナップ
シルバーライン:バランスの取れた定番オーダーシャツ生地
トーマスメイソンのシルバーラインは、糸番手100番手双糸を用いた高品質かつリーズナブルなオーダーシャツ生地です。バリエーションが豊富で、ビジネスシーンや普段使いに適したベーシックなデザインが揃っています。
- シワになりにくく、日常のビジネスシーンに最適
- 豊富な柄展開でコーディネートしやすい
- コストパフォーマンスに優れる
ゴールドライン:極上の光沢と柔らかさを持つオーダーシャツ生地
ゴールドラインは、最高級エジプト綿「GIZA 45」を使用し、140番手双糸で織り上げた極上のオーダーシャツ生地です。シルバーラインよりも柔らかく、光沢が美しく、特別なシーンやフォーマル向けにおすすめです。
- 柔らかさと張りを兼ね備えた生地感
- 美しい光沢で高級感を演出
- フォーマルや特別な日のオーダーシャツに最適
ジャーニーライン:出張や移動が多い方におすすめのオーダーシャツ生地
ジャーニーラインは、防シワ性能を強化した100%コットンのオーダーシャツ生地です。移動が多いビジネスパーソンにぴったりで、シワになりにくく長時間清潔感を保てます。
- 防シワ加工で出張・移動に最適
- 耐久性が高く着心地も快適
- 豊富なデザイン展開
トーマスメイソン生地を選ぶポイント
- ビジネス用途中心:シルバーラインがおすすめ
- フォーマルや特別な日:ゴールドラインがおすすめ
- 出張や移動が多い方:ジャーニーラインがおすすめ
THOMAS MASON トーマス・メイソン・シルバーライン 最新オーダーシャツ生地
シルバーラインは、100番手双糸×100番手双糸で織られた生地で、バリエーションが最も豊富なラインですが、最近は比較的ベーシックな柄が多いように思います。これは景気の影響からか、保守的な柄行きが増えているためでしょう。
トーマス・メイソンの人気は柄だけではなく、そのクオリティにあります。糸が密に織られているため、同じ100番手双糸の国産生地と比べても生地自体がずっしりしています。室内でお仕事をされる方なら、一日着用してもシワになりにくく、極端な話、汗をかかなければ翌日でも着られるほど、糸の張りを感じます。
次にご紹介するのは、糸番手が140番手×140番手の高級番手「ゴールドライン」です。
Thomas Mason(ゴールドライン) 最新オーダーシャツ生地
ゴールドラインは140番手双糸を用いながら、柔らかさの中に糸の張り(テンション)を感じさせてくれる生地です。トーマス・メイソンの中でも最上級の番手で、これ以上の細い糸の生地はありません。
ゴールドラインの特長
- 最高級エジプト綿「GIZA 45」を使用。滑らかな肌触りと美しい光沢が特長。
- 140番手双糸で高密度に織り上げ、耐久性と柔らかさを両立。
- イタリアの高度な技術で丁寧に製造。
おすすめの着用シーン
フォーマルや商談、大切な会議など、印象を大切にしたい場面に最適です。
お手入れ方法
- 洗濯機で40℃以下の水温で洗濯可
- 中温でアイロン推奨
- 漂白剤、タンブル乾燥、ドライクリーニング不可
続いて、トーマス・メイソンの「ジャーニー」シリーズです。当店で扱う最新の3柄をご紹介します。
Thomas Mason Journey(トーマス・メイソン・ジャーニー) 最新オーダーシャツ生地
ジャーニーは、その名のとおり旅行や出張向けに開発されたシリーズです。綿素材特有のナチュラルなシワはありますが、通常の着用で極端にシワになることはありません。
着用の様子をYouTubeにもアップしています。
ジャーニーの特長
- 独自加工で防シワ性能を強化。長時間の移動や着用でも清潔感を保てます。
- 100%コットンながらしっかりとした耐久性と快適な着心地。
- 無地・ストライプ・チェックなど豊富なデザイン展開。
おすすめの着用シーン
出張や移動の多いビジネスパーソン、日常のビジネスシーンに。
お手入れ方法
- 洗濯機で40℃以下の水温で洗濯可
- 中温でアイロン推奨
- 漂白剤、タンブル乾燥、ドライクリーニング不可
さらに詳しい情報は公式サイトをご覧ください。
Thomas Mason Journey 公式ページ
トーマス メイソン(Thomas Mason)は、1796年にイギリスで創業された老舗のシャツ生地ブランドで、現在はイタリアのアルビニ グループ(Albini Group)の傘下にあります。
長年にわたり、上質なシャツ生地の代名詞として世界中のテーラーやブランドから高い評価を受けています。
トーマスメイソンの中でも一番ベーシックで、生地の種類も多いシルバーライン「糸番手が100番手双糸×100番手双糸」を中心にした生地のカテゴリーです。トーマスメイソンにはシルバーラインの他に140番手双糸の「ゴールドライン」あとシワになりにくい「ジャーニー」と3つのラインがございます。
イギリスの伝統と風格を受け継ぐ最高級生地
ビジネス用途としては金港堂が一番お勧めする生地だとも言えます。何よりも糸に張りがありシワになりにくい。100番手のラインですと一日着用していてもシワがあまり気になりません。
140番の細番手のものはトーマス・メイソンのゴールドラインと言います。通常は140番までになりますとただ柔らかいだけですが、ここに糸のテンションを感じます。他の生地メーカーと一味違う肌触りにファンも多いところです。
トーマス・メイソンの歩み
- 1750年:英国の繊維業界の有力な起業家の一人であるThomas Masonが産業革命の真っ只中に仕事を始める。ヨークシャとランカスターの間の地域で家庭や屋台で手作業で紡績、手織りで布地を製作。
- 1780年:水力エネルギーを使った繊維機械が発明され、生産が大幅に増加。リバプールとヨークシャーの繊維ハブ、リーズを結ぶ水路が建設。
- 1792年:最初のボートに西インド諸島の綿花(シーアイランドコットン)を積み込む。

- 1796年:最初の綿ファブリック工場の一つを設立。貴族階級と上層階級の仕立て屋で使われ、後に大英帝国全土と世界へ輸出。
- 1850年:ビクトリア時代、ロンドンのセント・ジェームズ地区がシャツの中心地となり、優雅さの基準となる。
- 1901年:ビクトリア女王死去。第一次世界大戦では耐水性・耐火性の新しい織物を開発し航空隊員の命を救う。
- 1920〜30年:ロンドンが再び国際的な男性ファッションの中心地に。
- 1936年:ウィンザー公爵(エドワード8世)が王位に就き、トーマス・メイソンは王室御用達シャツメーカーの独占供給者となる。
- 1960年:ロンドンがファッション革命の中心に。カラフルで想像力豊かなスタイルが流行。
- 1992年:トーマス・メイソンとデビッド&ジョンアンダーソンがアルビニ家により買収。
- 今日:シルバーライン・ゴールドラインを展開し、英国ファッション愛好家の基準であり続ける。
トーマス・メイソン(Thomas Mason)の生地はこちらから。
トーマスメイソン・ゴールドライン(Thomas Mason)の生地はこちらから。
トーマスメイソン・ジャーニー(Thomas Mason)の生地はこちらから。
以下、生地商から頂いた参考文献より。
THE ARRIVAL OF THE SIXTIES,
THE "SWINGING SIXTIES"
London was once again the centre of a sartorial revolution. These were the triumphant years of the Beatles and youth fashion and were dominated by a strong desire for change. Even traditional male elegance was infused by this thirst for novelty and a group of ingenious designers formed a bridge between Savile Row, Jermyn Street and Carnaby Street. Clothing was colourful, imaginative and fun. Even shirts were eccentric and became the centre of attention with stripes and checks in bold new colours, worn with trendy wide ties known as kipper ties.

ロンドンは再びファッション革命の中心地となります。ビートルズを始めとする若者ファッションが一世を風靡し、大きな変化への期待に満ちていました。伝統的なエレガンスもこの新風に巻き込まれ、独創的なスタイリストらが、セヴィルロウ、ジャーミン・ストリート、カーナビー・ストリートの橋渡し役をするようになります。カラフルでファンタジーに満ちた愉快な服、エキセントリックで奇抜な色使いの縞や格子柄のシャツはファッションの主役となり、この時代を象徴する幅広のネクタイ、キッパータイとの組み合わせが流行りました。

Selection of fabrics for bespoke shirts in the Churchill Room at Tumbull & Asser in Jermyn Street.
オーダーメイド用の生地各種 ジャーミン・ストリートのターンブル&アッサー チャーチルルームにて。

Giovanni Battista Homann, Carta "Aegyptus Hodierna", 1716
(ジョヴァンニ・バティスタ・ホーマン)地図「エジプト」1716年
EGYPTIAN GIZA 45 COTTON:
AMONGST THE MOST HIGHLY REGARDED AND EXCLUSIVE IN THE WORLD
Egypt's finest cotton, "Giza 45", is used for Thomas Mason's Goldline. The particular climatic conditions and fertile soils along the Nile and around the delta give rise to the finest cotton in the world. Egypt is currently the world's leading producer of long fibre (>1 and 1/4 inch) and very long fibre (>1 and 3/8 inch), the famous 'long and extra long staple' cotton.

トーマス・メイソンのGoldlineでは、エジプト綿の最高級品:Giza45が使用されています。ナイル川流域デルタ地帯の恵まれた気候と豊かな土壌で、世界でも貴重な最高級綿が生産されます。

THOMAS MASON
A LEADING FIGURE OF THE INDUSTRIAL REVOLUTION
England, late 18th century. Sir Thomas Mason was one of the leading figures of the English textile industry, who started business at the height of the Industrial Revolution. He was a far-sighted man with a flair for seizing opportunities in a sector that had previously relied strongly on manual methods alone.

英国、18世紀後半。鋭い先見の明を持つサー・トーマス・メイソンは、手工業に頼ってきたこの分野で新しい機会を掴み取りました。

Andrea, Fabio, Silvio e Stefano Albini
アンドレア、ファビオ、シルヴィオ、ステファノ・アルビニ
In 1992, the well-known Bergamo-based Albini family of entrepreneurs acquired the English brands Thomas Mason and David & John Anderson, incorporating their incomparable historic textile designs.

よくあるご質問(FAQ)
トーマスメイソンのオーダーシャツ生地の特徴は?
高級エジプト綿を用い、高密度で織られているため、耐久性と柔らかさ、美しい光沢が特徴です。
トーマスメイソンの中で一番高級なのは?
ゴールドラインです。最高級綿GIZA 45を使用し、140番手双糸で織り上げられています。
出張向けの生地は?
ジャーニーラインが防シワ性能に優れ、出張や移動が多い方におすすめです。
金港堂では、トーマスメイソンのオーダーシャツ生地を豊富に取り揃え、お客様一人ひとりに最適な一着をご提案しています。ぜひ最高級のオーダーシャツ体験をお試しください。